こんにちは、あおさん(@aosan)です。
2022年社会福祉士国家試験を受験する最後のあがきです。
出題されるであろう、単発の重点項目です。
今回は『相談援助の記録と評価』です。
(専門科目)『相談援助の理論と方法』からです。
この科目は範囲が広いですね。
先日の模試でも、この科目から10問出題されてました。
他の科目はだいたい7問。
今回は「記録」です。
現場経験のある方は、現在進行形の方も、毎日の大切な業務ですね。
さ、まとめるぞ。
記録
記録の役割は以下のように整理できます。
- 備忘録
- 状況や問題の明確化
- 目標や計画の確認と修正
- 評価や効果測定
- 共有される資料・証拠
- 調査・研究の資料
記録の分類
- ケース記録
ケースワークで用いられる記録。個別援助の具体的内容等。 - グループ記録
グループワークで用いられる記録。プログラム内容、集団援助の過程など。
基礎資料
- フェイス・シート
利用者の指名、居住地、年齢、性別、職業、家族構成、主訴などを簡潔にまとめて記したもの。これにより大まかな状況を把握することができる。 - ケース・ヒストリー(生活史)
利用者が援助を求めるまでの背景や生活状況などをまとめた記録の一つ。
記録様式
- 過程記録
援助過程を時系列に沿って整理し、記述したもの。 - 要約記録
長期にわたる援助について、その内容や経過の要点をまとめたもの。
項目記録…内容をいくつかの項目ごとに整理し、その要点をまとめたもの。
終結記録…援助過程の終結における総括的な記録。事後評価が中心。 - 逐語記録
会話の内容を、そのままの言葉通りに記録したもの。
記録の文体
- 会話体(逐語体)
会話の内容をその言葉通りに記す文体。
逐語記録は会話体を用いるが、多用すると記録が冗長になるため、必要最低限に。 - 叙述体
援助の過程で生じた事柄を、記録者の解釈を交えずに、時系列に沿って、そのまま記録したもの。客観的な記述が求められる場合に有効。
圧縮叙述体…全体を圧縮して記述する
過程叙述体…会話などのコミュニケーションを詳しく記述する - 説明体
会話の内容や行為、または事実について、援助者がその趣旨を解釈して記す文体。
過程記録や項目記録などでは中心になる。
客観的事実と、援助者の主観による見解を明確に区別して記述することが大切。 - 要約体
説明体による記録をさらに整理し、短い文章に要約して記述したもの。全体像の把握に有効。
記録者
原則として、記録は援助者が行うが、援助者以外が記録を取る場合もある。
- 自己観察記録法
援助者からの指示により、利用者自身が自分の行動などを記録する方法。 - 平行的観察記録法
利用者の行動をその家族や友人、援助の協力者などが記録する方法。
記録の留意点
- 記録者の氏名を記入
責任の所在を明確にする。 - 記録すべきでないこと
援助に不要なことは記録しない。
援助者の個人的感想、私的感情、一般論は避ける。 - 第3者へのわかりやすさ
- 記録の手段と保存
マッピング技法
利用者とその関係する人々との関連性や人間関係、環境との関係を図式化して、利用者の取り巻く状況を理解するための技法。
① ジェノグラム
アメリカの医学博士ボーエンが考案。
3世代以上の拡大家族間の相互作用の見取り図。
② ファミリーマップ
家族構成員間に見られるコミュニケーションの状況や力関係、情緒的結びつきなどを示した図。
③ エコマップ
ハルトマンが考案。
利用者の家族関係だけでなく、その周囲の人々や様々な社会資源とのつながり、関係なども含めて図式化したもの。生態学理論やシステム理論の視点が取り入れられている。
評価
評価の段階
- 事前評価(アセスメント)
援助のゴールを決めるために行う。
利用者の主訴を理解し、必要な資料や情報を集め、問題の原因やどのような援助が必要であるかを明確にする一連の作業を行ったうえで、適切な評価をする。 - 中間評価(モニタリング・経過観察)
援助の実践課程で行われる評価。
その計画が適切に行われているか、修正の必要はないかなどを判断する。 - 事後評価(エヴァリューション)
援助の終結段階で行われる評価。
援助を終了させることが適当であるかどうかを判断する。
評価者による分類
- 自己評価
社会福祉事業の経営者が、標準化された評価基準をもとに、自らその提供する福祉サービスの質の評価を行う。
事業者に義務付けられている。 - 第三者評価
社会福祉事業者の提供するサービスの質を当事者(事業者と利用者)以外の公正・中立な第三者評価機関が、専門的で客観的な立場から評価するもの。
評価の性格による分類
- プロセス評価
援助が当初の計画通りに進んでいるか、順調に援助目標に近づいているかなど、その援助のプロセスを分析し、評価すること。 - アウトカム評価
相談援助が効果を上げたかどうかを最終的に評価すること。援助目標が達成されているか、アセスメントやモニタリングの情報を取り入れて総合的に判断する。
効果測定の尺度の標準化
- 尺度の信頼性
測定する際に用いられる尺度が、状況や時間の変化などによって左右されず、常に安定して測定できているものであるか。 - 尺度の妥当性
測定しようとするものに対し、その尺度が適切なものであるか。
効果測定の方法
- 単一事例実験計画法
シングル・システム・デザイン
個々のケースに対してどれだけ効果的に機能したかを測定する方法。
利用者の問題行動を数量化してデータをグラフ化するなどして、介入前(基礎線期/ベースライン)と介入後の変化の水準を視覚的に判定する。
変化が介入に寄ったものと立証しにくいのが短所。 - 集団比較実験計画法
統制群実験計画法
援助を行う場合とおこなわない場合とを比べ、結果にどの程度の違いが表れるかを測定する。
処置を行わない=統制群
処置を行う =実験群
グループ間を比較し、統計的な有意差が検証されれば、その援助に効果があると認められる。 - グランプリ調査
複数の異なる援助方法の効果の差を検証する際に有効。
集団比較実験計画法では、援助をする、しないグループに分けるが、グランプリ調査では、Aの援助をするグループ、Bの援助をするグループと分類し、実験結果を比較する。 - メタ・アナリシス
特定の援助方法について、より多数の調査結果を収集して分析することにより、援助方法の効果が普遍的であることを検証しようとする方法。
メタ解析。エピデンスレベルの高い位置づけ。 - 事例研究法
特定な形式はない。
さまざまな分野から複数の人々が事例検討に参加し、多角的な視点からの意見を集め、議論を重ねることで、その研究がより深まっていく。
数量化できない質的な問題や効果について評価する際に有効だが、援助者自身がその援助の効果を第3者に示すために用いるときには、その客観性が問われる。 - 断面的事例研究法
複数の調査対象者に対して、ある時点で一斉に調査していく研究法。
事例の断面的な特性を知るのに有効。
例:年齢の異なる複数の対象者に同時に調査面接を行い、各年齢層の実態や状態を一度に把握する。
ポイントの整理
- 記録のポイントは、様式と文体。逐語記録がなんたるものかとかは覚えておく必要があります。
- マッピングは、テキストから抜粋しました。
ジェノグラムを発展させて、ファミリーマップ、エコマップと記載される情報が増えていくので、ここはわかりやすい点ですね。 - 評価では、意外に効果測定の尺度についての出題を見ます。
プロセス評価、アウトカム評価も結構単純なので、覚えちゃいましょう。
試験日まであと8日。
オススメ参考書はコチラ
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