こんにちわ、胃全摘ブロガーあおさん(@aosan)です。
胃がんによる胃全摘を受け、1年と1か月経過しました。
いろいろな体の問題がありますが、その中でもとりわけ辛い症状が『低血糖』です。
最近は低血糖が起きた時は、その直前の「食事内容」を記録するようにして傾向をつかむようにしていますが、今のところ、はっきりとした原因、要因がわかりません。
突然起こる、油断してると起こる、兆候をつかんでうまく対処できればいいけど、症状が重くなってしまった時は、それはもう最悪です。
こんな辛い『低血糖』について、糖尿病治療の観点からはどのようにとらえて、どのような対処法、予防法があるのかと調べてみて、胃を切除したものはどんな対応をしたらいいのか、予防はできるのかなどを、経験談を交えて、以下にまとめてみましたので、参考になれば幸いです。
なお、症状の発出、頻度、症状の重さ、対処方法など個人差は大きいと思うので、あくまでこの記事は参考程度にして、症状が重いなど、お悩みの時は必ず主治医の先生に相談してください。
ねぇ、ちょっとマジメすぎない?
ぜんぜん、いつもの『ノリ』と違うじゃない。
いや、ボクはいつも超絶マジメですよ。
ところで、なんで久しぶりのマジメ記事に出てきてんの?
今日はお料理はないよ。
こんなんじゃ、読んでくれる人(ワタシノファン)がつらいでしょ。
だから私がわかりやすくカイセツしてあげるわ!
解説って…。俺の買った本、見たこともないじゃん。えぇ~。
後期ダンピング症状の『低血糖』とは…
『低血糖』とは、血糖値が必要レベルより下がり過ぎてしまうことを言います。
胃を切除したり、全適すると、食べ物が胃からゆっくりと十二指腸に流されるのではなく、一気に食べ物が腸に移動し、食べ物が短時間で吸収されるため、一時的に高血糖になります。
これに反応してインスリンという血糖を下げるホルモンがたくさん分泌され、逆に低血糖になることがあります。
低血糖の症状としては、食後2~3時間たって、頭痛や倦怠感、冷汗、めまい、手指のふるえなどが現れます。
この症状が、なんとも辛い。
ここでは、まず『低血糖』とはなんぞや?
どうやって起こるの?
何が辛いの?
対処法はあるの?など、
を考えていきたいと思います。
そもそも『血糖値』ってなに?
血液中のブドウ糖のことを『血糖』といい、その濃度のことを『血糖値』といいます。
血糖はエネルギー源としてたえず消費され続けている。
肝臓、筋肉に蓄えられている「グリコーゲン」という物質からブドウ糖が合成されて、体内で常に一定の濃度を保っています。
食事をとると、食物に含まれる糖質からブドウ糖が合成されて、血糖値が上昇しますが、「インスリン」というホルモンが作用して、2時間もすると自然に基準範囲に戻ります。
糖尿病治療の観点から『低血糖』が起こる一般的な要因とは
糖尿病の治療では血糖のコントロールのために、外部から飲み薬やインスリンを取り入れます。その結果、血糖値が下がり過ぎて起こるのが低血糖。その主な要因となるのが以下のようなものです。
- 糖尿病治療の注射、服用の時間、量を守れなかった
- 食事時間の遅れ、食事量の不足
- 空腹時の激しい運動
- 飲酒
- 解熱剤、鎮痛剤を使用したとき
- 下痢症状のとき
- 高齢者や肝臓、腎臓機能の機能低下を起こしている人
胃切除、全摘者には、どのようなメカニズムで低血糖が起こるのか?
胃を切った人に起こる『低血糖』は一般的な糖尿病患者の要因とは違い、まったく、正常な体の反応として、以下のような流れで起きます。
- 食べたものが急激に十二指腸流れ込む。胃全摘の場合は、特に口から摂取したものがダイレクトに流れ込む。
- 急激に流れ込んできた食べ物の糖分が素早く吸収され、血糖値が急上昇する。
- この高血糖により、血糖値を下げるため膵臓から大量のインスリンが分泌される。
- 今度は急激に血糖値が下がり過ぎて低血糖症状になる。
『低血糖』って体に何が起こるのか?
血糖値60~70㎖/㎗

あくび、不快感、急激な空腹感、考えがまとまらない、など
血糖値30~60㎖/㎗

眠気、倦怠感、吐き気、イライラする、目がちらつく、頭痛、頭重、無気力、計算ができない、震え、動悸、冷や汗、めまい、脈拍が速くなる、顔面蒼白、ものが二重に見える、など
血糖値10~30㎖/㎗

意識もうろう、異常行動、意識喪失、けいれん、深いこん睡、など
※血糖値に対応する症状の一般例。症状のあらわれ方は個人差があります。
『低血糖』になったときの対処方法について
胃切除や胃全摘のかたでは意識を失うほどの低血糖症状に至ることはほぼないのではないかと思われるため、初期症状が感じられたら、一般的な対処方法でOKだと思います。
ただ、兆候を感じたら躊躇せずに対処してください。「これぐらいなら何もしなくても大丈夫かな?」とガマンしていると、一気に最悪な症状に陥ります。
私自身、何回も失敗をしていますので、仕事中だろうと、夜中だろうと、睡眠中だろうと『躊躇なく』です。
対処方法は単純に「糖分」を取ることです。
よく『アメ』や『チョコ』と言われますし、効果もあるんですが、私が主治医から言われたのは、即効性を考えるなら『飲み物』だそうです。以下は、私が良くやる対処方法です。
- 甘いジュースを飲む。
- ブドウ糖を1個噛み砕き、水を飲む。
- INゼリーのようなゼリー飲料を飲む。
甘いジュースは家にない場合もあるので、ドラッグストアで売っている『ブドウ糖』を噛み砕いて水で流し込んでしまうのが、手取り早いですね。
兆候を感じた時に、この対処をすればだいたい10分ぐらいで収まります。
予防のために、食後2~3時間で甘いものを少し食べるというのもアリ。
しかし万が一、これで症状が治まらない場合は、主治医に連絡をして指示を仰いだほうがいいです。
えぇ~、食べてたの?まぁ、残しておいてくれればいいけどさ。
(油断も隙もないな・・・。)
【重要】胃切除者の食後高血糖と糖尿病について
今回の一番重要なポイントです。
食後高血糖と糖尿病
胃を切除、全摘した人は、胃の機能が十分でない、もしくはないため、食べ物が一気に小腸へ流れ込んで、高血糖、低血糖を繰り返します。
これは、ある意味、体の正常な反応なので、この先、ずっと付き合っていかなければならないのかなと思います。
したがって、この体の正常な反応により1日3食、年間約1000回の高血糖、低血糖のジェットコースターを繰り返すことになります。
ここで大きな問題となるのは、この頻繁な繰り返しにより、遺伝的に糖尿病を発症しやすい人は糖尿病を発症してしまうことがあるそうです。
あれ、確かパパのお父さんって糖尿の気があるっていってなかったっけ?
そうなんだよ、だからコレを読んだ時、やべ~ぞって思ったんだよね。
日常の予防について
食べ物が血糖に変わる割合を考えると、食事内容を見直すことになります。
大切なことは、糖質、たんぱく質、脂質をバランスよく摂取すること。
ざっくりと考えると、
栄養素が血糖に変わる割合は、
炭水化物が100%とすると、たんぱく質は50%、脂質は10%ぐらい。
また、もっと突き詰めていくと『GI値』の高い食品を控えていき、低GI食品を摂るようにしていくと、予防につながっていきます。
症状がそれほど重くない人は、バランスの良い食事をとるように調整していくことでよいと思うので、次のような点を注意していけばいいと思います。
え~と、炭水化物のごはんはダメで、うどんもパンもダメ、たんぱく質は50%だからちょっとはいいのね、鶏肉ね、毎日鶏肉ね。脂質・・・牛乳ね、明日から鶏肉と牛乳だけでいいのね?????あとサラダ、野菜ね、野菜・・・ブツブツ
そこまで極端じゃなくていいんだよ、大切なのはバランスだよ。術後1年たって、だんだんと色々なものを食べられるようになってきているから、繊維質の高い野菜とかも食べるようにして、食べやすいものばかりにしちゃだめだよってこと。とりあえず、低血糖の症状がそこまで重くない人は以下のことを注意すればいいんじゃない?
日常の予防でできることは…
- 食事はよく噛んでゆっくり食べる。おおむね20分以上が目安。
- 術後、食事がとれるようになってきたら、野菜を摂るようにする。
- 無理のないレベルで運動を心掛けて、筋肉量がおちないようにする。
注意点
- おにぎり、麺類、パンだけの炭水化物だけの『主食のみ』にしない。
- 間食は甘い菓子類、甘い飲み物は控え、乳製品、果物を摂るようにする。
症状の重い人はGI値を考えてみよう
『GI値』とはグリセミック・インデックスの略で、その食品を食べたときの血糖値の上昇率を表す数値です。
ブドウ糖を100として、実験データをもとに算出したものがGI値表(後でちょっと抜粋しますね)の数字です。
オーストラリアのシドニー大学では以下のようにGI値を定義しています。
- 高GI食品・・・70以上
- 中GI食品・・・56~69
- 低GI食品・・・55以下
GIが高い食品は一気に血糖値を上昇させます。GIが低い食品は糖が穏やかに取り込まれ、血糖値の上昇も緩やかです。
これらを考えると主要な食品のGI値を知ることで、食べる順番を考え、血糖値の急上昇を予防することができます。
高GI値と低GI値の食品をちょっと紹介
GI値の高低を見ると、以外に「これこんなに高いの?」と驚くものもあります。例えば、『ジャガイモ』や『人参』は高GI値食品です。
カレーライスは血糖値が急上昇しちゃうメニューなんですね。
高GI値の食品
- 砂糖 109
- 白米 84
- うどん 80
- 食パン 91
- フランスパン 93
- じゃがいも 90
- にんじん 80
低~中GI値の食品
- 玄米 56
- 全粒粉パン 50
- そば 59
- 肉 45
- 魚 40
- スパゲティ 65
けっこう意外なものが入っているね。じゃがいもがダメじゃ、肉じゃががダメなの?でもスパゲティはいいの???お肉もヘーキ???
次が最後のお話になるんだけど、これら高いGI値を下げる方法があるんだよね。 急激な血糖値の上昇を抑える方法、『食べ方』だよ。
GI値を下げて血糖値の急上昇をおさえる方法
それでは低GI値の食品だけを食べてればいいかというと、外食すればそんなわけにいかないし、栄養のバランスだって偏っちゃいます。
第一、おいしくなくなる。
やはりバランスよく、なんでも食べるということに行きつくのですが、最後にGI値を下げる効果のあるものを紹介します。
1 食物繊維の豊富なものを食べる
きのこや海藻、こんにゃく、野菜、豆、くだものの食物繊維は糖の吸収速度を緩やかにする効果があり、血糖値の上昇が緩やかになり、高GI値の食品を食べても、血糖値の急上昇を抑えられます。
- ひじき
- こんにゃく
- ごぼう
- アボカド
- アーモンド
- キウイ
- ほうれん草
2 すっぱいものを食べる
酢、レモン、ライムなどのクエン酸には、インシュリンの過剰な分泌を防ぐ効果があります。
酢の物、マリネ、サラダに酢を使ったドレッシング、ぎょうざにつける酢など、食べ方はたくさんあります。GI値が高いものを食べる前に摂りましょう。
- 酢や黒酢
- ワインビネガー
- レモン・ライム
- 梅干し
3 乳製品をとる
食事をする前に乳製品を少し口にすると、食物の消化スピードをゆっくりにすることができます。牛乳やヨーグルト、チーズや生クリームにも効果があります。
ただし、大量の砂糖が使われているアイスクリームなどは効果が期待できません。
- 牛乳
- 生クリーム
- クリームチーズ
- カマンベールチーズ
- プレーンヨーグルト
繊維質やすっぱいもの、乳製品をとればいいんだ。
でも、パパは胃を切ってるから繊維質の強い、こんにゃくとか食べれないよね。
全く食べれないわけじゃないからね、アボカドが入っているのはいいね。ウチの定番メニューの食材の一つだよね。
酸味の強いドレッシングでアボカドサラダとかっていいかもね。
大切なことはバランスよく何でも食べるってことなんだろうね。
まとめ
長文さいごまでお読みいただきありがとうございました。さいごに今回のポイントを整理しました。
とにかくバランスよく、いろいろな食材をたべるっていう、普通なことが一番大切なわけね。
GI値はダイエットにも使えるから、ちょっとその本あとで見せてよね。
ところで、なんでいつものアイコン使わないの?
あぁ、サイトのプロフィールのカッコえぇやつね。
それはなにごとも『バランス』が大事ってやつですよ。
おあとがよろしいようで。
参考文献・資料
国立がん研究センターの胃がんの本(小学館)
専門医が治す!糖尿病(高橋書店)
糖尿病治療ガイド(日本糖尿病学会)
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