※この記事は2020/04/18に投稿した記事のリライト記事です。
こんにちわ、あおさん(@aosan)です。
さっそくですが、
- 胃を切ったあとの食事ってどうなるの?
- 食べてはいけないものがあるの?
- どんな食生活になるの?
私もがんの告知を受けた後に悩みに悩みぬいたことです。
その当時私もいろいろ本やネットでさんざん調べました。
そこで手術を終え100日を過ぎ、ここまでの実体験を踏まえながら、「胃を切る」っていったいどういうことか、生活の何が変わるのか?
胃を切ってのトラブルの代表格である
「ダンピング症状」を中心に解説をしていきたいと思います。
その前に、私自身がんの告知を受けた個所は2か所です。
- S状結腸がん
- スキルス胃がん
以前の記事にも書きましたが、下血が続いたことから大腸内視鏡を受け「S状結腸がん」が見つかり、念のために行った胃カメラで「スキルス胃がん」が見つかりました。
これは転移性ではなく、原発性のがんが同時に2か所見つかったので、担当医が言うには非常にまれなことだそうです。
このことから私の切除した臓器は以下の3か所でした。
- 胃(全部)
- 大腸(S状結腸とその周辺のリンパ節)
- 胆のう
胆のうは転移している可能性が高い臓器なので、一緒に取っちゃいましょうという感じでした。
これら3つの臓器を切って生じるトラブルはざっくりと以下のようになります。
・胆のう
胆のうは肝臓と十二指腸に繋がっています。
肝臓でつくられた胆汁を一時的に貯めて濃縮し、脂肪の分解をします。
これがないと一度に大量の油分を取ると消化不良で下痢になります。
・大腸
腸は消化、吸収を行う最終段階の臓器で、便を作って貯めておく。
術後は腸の動きが弱まり、術後3か月ぐらいは食事量を減らし、消化しにくいものは避けて、ゆっくり食べる必要があります。下痢や便秘になりやすい。
・胃
胃は食べ物を一時的にため込んで分解する役割がありますが、胃がないと一気に小腸
に食べ物が流れ込み、ダンピング症状をはじめとしたさまざまな問題が生じます。
お読みいただいた通り、一番大きな問題は「胃」です。私自身、この間、過ごしている中で「胆のう」や「大腸」の問題はさほど考えておらず、胃を切ったことがさまざまなトラブルの原因でした。
ここからは一番の問題である「胃」について、そして代表的なトラブルである「ダンピング症状」について基礎的な知識を解説していきたいと思います。
基礎知識編、次回予定している実体験編は以下の資料を参考にさせていただきました。
病院の資料もさることながら、退院日に奥さんと一緒に書店で選んだ2冊のレシピ本も「胃」についての基礎知識がわかりやすく書いてあるのでお勧めです。
・病院でいただいた説明資料
・胃を切った人のための毎日おいしいレシピ250(学研)
・胃手術後の100日レシピ(女子栄養大学出版)
1 胃の役割
まず「胃」って普段どんな働きをしているのか、基本的なことを確認しましょう。
胃の4つの役割について
- 一時的に食べ物をとどめておく(貯留)
- 食べ物を胃液と混ぜ合わせて粥状にする(消化)
- 粥状にした食べ物を3~6時間かけて腸に送り出す
- たんぱく質を分解したり、ビタミンB12の吸収に必要な物質を分泌する。
このほかに、胃には強力な酸があるため食べ物の「殺菌」をする効果があります。
例えば少し傷んでいる生ものなどを食べても、普通の人は「胃」の殺菌効果で大事にならずに済みますが、胃切除した人は場合によっては、大変なことになってしまいます。お刺身などは新鮮なものを食べてくださいという指導はこういうことなんですね。
胃の構造について
①食道
長さ25cm、太さ2~3cmの筒状の臓器。
口から入った食べ物を胃まで送るはたらきがある。
②噴門
胃の入り口。食べ物や胃液が食道に逆流しないよう防いでいる。
③幽門
胃の出口。粥状にした食べ物を腸に送り込む量、速度を調整している。
④十二指腸(小腸)
小腸の上部、長さ約30cmの部分。肝臓・膵臓から消化液を受ける。
胃は3層の筋肉が働いて蠕動運動(ぜんどううんどう)を行い、食べ物を十二指腸へ送り出している。
2 手術の方法
私の場合はスキルス胃がんでしたので、赤い小さなできものを起点として、胃壁の中をがん細胞が浸潤して胃壁が変色していっているのが画像で分かりました。
担当医からは転移の恐れを考えて「胃全摘術」にしましょうといわれました。
胃全摘術とは・・・
胃がん手術の60%は上部の噴門を残しての「幽門側胃切除術」という元の胃の1/3を残す手術だそうです。
しかし、がんが大きい、または胃の上部にできた場合に、胃を残すことが難しい場合には「胃全摘術」という噴門、幽門を含めた赤い線のところの胃全体を切って、食道と十二指腸を直接つなぎ合わせる手術を行います。
3 胃を切って生じるさまざまなトラブル
①体重減少
一般的に手術前の10~15%体重が減ります。私もきっかり10%落ちました。
この3か月で体重は手術後に落ちた10%で何とか食いとどまっています。
体重減少が続くと、一番の問題は筋肉の量、
骨の量が減っていくので注意が必要です。
極度に太った人はやせるために「胃を切る」という治療もあるそうです。
KONISHIKIさんはこれで150Kg痩せたそうですね。
次回、詳しく書きますが、
・前期ダンピング症候群
食後30分以内に起こります。腹痛、冷や汗、動悸、めまい、脱力感など。
・後期ダンピング症候群
食後2~3時間後に起こります。動機、めまい、手の震え、脱力感など。
③便秘・下痢
・便秘
運動不足、食物繊維摂取不足など。
そもそも繊維質の高いものは消化に悪いので控えて、
と言われるのでしょうがない。
私はどちらかというと便秘のほうで悩まされることが多いです。
・下痢
消化機能が低下し、食べたものが腸に流れ込むスピードが速くなるため。
多量の油物を食べたときにもなります。
④貧血
胃がなくなると胃酸や胃液がなくなるので、
鉄分の吸収が低下し、ビタミンB12は全く取れなくなります。
鉄分は気を付けて取らなければならないのですが、
ビタミンB12は注射で摂取しなければならなくなります。
⑤食べ物の逆流
胃の入り口「噴門」で食べ物の逆流を防いでいましたが、
なくなってしまったので、逆流が起きやすくなります。
私も食後すぐに横になったときに、
逆流して口から鼻から吹き出したことがあります。
⑥つかえ感・胸やけ
これが私にとっては一番苦しいです。
食べすぎや早食べをすると、胃にとどめておくことができないので、
一気に小腸へ流れ込もうとするので、「つかえ」ます。
水分で流し込もうとするとかえって悪化するので、
待つしかないんです。
私の場合はのど元のあたりで食べ物がつかえて、下に落ちていかない。
生きた心地がしないぐらい、むちゃくちゃ苦しいです。
4 どれだけ食べる必要があるのか?
胃を切ったあと、直後はしばらく何も食べられない絶食状態になります。
点滴で栄養分を取り続けるんですが、不思議と食べたいと思わないんですよねぇ。
それでも術後初めての食事はちょっとうれしかったなぁ。
写真撮ってあるのでこれはまたの機会にお伝えしますね。
さて、そんな食事も少しづつ食べられるようになってきたら、いったいどれだけ食べればいいの?という疑問があります。
一日に取らなければならないエネルギーは以下のように計算できます。
〇標準体重を計算する
身長(m) × 身長(m) × 22
[私の場合]
1.81(m) × 1.81(m) × 22 = 72.07(kg)
〇一日の消費エネルギーを計算する
標準体重(kg) × 30(kcal)
[私の場合]
72.07(kg) × 30(kcal) = 2,162(kcal)
私の場合は約2,200kcalですね。一般の成人男性の一日分ですね。
このカロリーを摂取し続ければ標準体重を維持できると、理論的にはそうなります。
私の今の食生活はここまでできてないなぁ。
一般論としては、胃を切った後は焦って食べても体調不良の原因になるので、
約1,600kcal を目指してね、と言われます。
1日3食+おやつ2食でなら、なんとかなる数字ですね。
経験的に炭水化物よりも肉や魚といったおかずを増やしたほうがカロリーは取りやすいです。それと、野菜類はカロリーが低いし、それだけでおなかが膨れちゃうので、 避けるようにしていますね。
5 まとめ
今回は、胃を切った人への基礎知識編ということで、基本的なことの再確認ということで書かせていただきました。
改めて記事にしてみると、気づかされることや勉強になることがたくさんありますね。
カロリー摂取量は3か月たった今でも標準量を摂取できてないなぁ。
次回、
胃を切った後のダンピング症状について解説したい件(実体験編)
をお送りします。
こちらは「ダンピング症状」の詳しい解説や「食べられるもの、控えたほうがいいもの」、実際はどうなの?をお伝えしていきたいと思っています。
「やっちまったぁ!」のオンパレードですよwww
負けてたまるかぁ!なんでも食ってやるぜぇ。
(つづく)
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